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UI/UX Improvement

お申し込みフォーム内「WordPressクイックスタート」のUI/UX改善

エックスサーバー(XS)のお申し込みフォーム内で、WordPressを最短導入するオプション「WordPressクイックスタート」の利用体験を再設計した案件です。チェックボックス周辺の見た目だけでなく、メリットの理解 → 利用判断 → 追加入力 → お申し込み完了までの一連の流れを対象に、情報の優先順位と画面構成を見直しました。

対象:エックスサーバー(XS)のお申し込みフォーム / 想定ユーザー:WordPress利用を検討する初心者〜初級者(契約と同時にサイト公開を目指す層)

改善後:3大特長ラベルとインライン展開されたクイックスタート入力エリア
担当範囲
  • 課題分析
  • 情報設計
  • 画面設計・UI/UXデザイン
  • ワイヤーフレーム作成
  • エンジニアとの仕様・バックエンド連携調整
制作期間
2026年4月〜6月
(約2ヶ月)
使用ツール
  • デザインFigma / Photoshop
公開状況
公開中
(2026年6月リリース)

この案件の要点

課題

WordPress利用を希望するユーザーが約8割いる一方、クイックスタートの選択率は平均31.7%。注意文が目立ち、確認モーダルで操作も中断していた。

施策

モーダルを廃止し、メリットを先に伝える3大特長ラベルとインライン展開の入力欄に再設計。初期値とメール補完で入力負荷も軽減。

成果

2026年6月にリリース。約3ヶ月時点の社内計測で、利用選択率が31.7%から約48%へ上昇(約16ポイント増、約1.5倍)。

改善前後の比較

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【Before】判断と入力の間にモーダルが割込み。メリットより注意が前面に出やすく、操作の連続性が途切れていた。
【After】メリットを先に提示し、選択に応じて入力欄をインライン展開。情報の優先順位と入力導線を同一画面で完結。

ユーザー体験の全体像

お申し込みフォーム内でユーザーがたどる流れを、設計の単位として整理しました。単一パーツではなく、フォーム上の一連の判断と入力として捉えています。

  1. クイックスタートの存在とメリットを知る

    チェック項目付近で、自動設置・ドメイン・HTTPS など利用する理由が先に伝わる状態を目指す。

    操作:オプション説明・3大特長ラベルを読む

  2. 内容を理解し、利用するか判断する

    注意事項とメリットのバランスを調整し、利用可否の判断が同一画面内で完結するようにする。

    操作:クイックスタートのチェックをオン/オフ

  3. 必要な設定項目を入力する

    選択に応じて追加入力欄をインライン展開。モーダルでフローを切らない。

    操作:ブログ名・パスワード等の入力(初期値・補完あり)

  4. お申し込み手続きを完了する

    他の契約項目と同じフォーム上で手続きを続行し、離脱や操作のやり直しを減らす。

    操作:フォーム後半の項目入力 → お申し込み確定

課題の発見

既存画面の分析と、社内で確認できた利用データ(WordPress利用意向・クイックスタート選択率)を踏まえ、課題を整理しました。

課題 ユーザー体験への影響 改善の方向性
利用ニーズに対し選択率が低い WordPress利用意向が高い層でも、クイックスタートを選ばず手動構築に流れる。 メリットを先に伝え、利用判断のハードルを下げる。
注意・警告が目立つ 不安が先に立ち、機能の価値が理解しづらい(理解・判断の段階で離脱)。 情報の優先順位を見直し、メリットと注意のバランスを再配置。
確認モーダルで操作が中断 チェック後に別レイヤーへ切り替わり、フォーム入力の連続性が失われる。 モーダルを廃止し、同一画面内で展開する。
入力・設定の負担 初心者にとって項目数・専門性が負荷になり、入力段階で離脱しやすい。 初期値・登録情報の補完で入力負荷を軽減。

参考データ:サーバーのお申し込み者の約8割がWordPress利用を希望する一方、クイックスタートの利用選択率は平均31.7%でした(リリース前に社内で確認した数値)。

情報設計と解決策の検討

情報設計:提示タイミングと形式

フォーム内の情報を次の5類に分け、いつ・どの形式で出すかを定義しました。

  • 利用メリットチェック前から視界に入るラベル・短文(常時/選択前)
  • 判断に必要な情報利用条件・注意(メリットの直後、視認性を抑えたトーン)
  • 選択操作クイックスタートのチェック(フォームの他項目と同列)
  • 追加入力オン時のみインライン展開(モーダルなし)
  • 補助初期値・メールアドレス補完(入力欄表示と同時)

UI案の比較検討

案A:確認モーダルの改善

モーダル内にメリットや補足を追加し、説明量を確保する案。

懸念点

  • 操作の中断(連続性)が残る
  • SPではモーダル内スクロールが増える

案B:インライン展開+モーダル廃止 採用

同一画面でメリット提示と追加入力欄を展開する案。

採用理由

  • 理解→判断→入力を一画面の流れで完結できる
  • フォーム全体の構造を崩さず実装可能(段階リリースも可)

比較軸(UX・実装の観点)

比較軸 案A(モーダル改善) 案B(インライン)
情報の理解しやすさ モーダル内に詳述可能 ラベル+インラインで要点を前置
操作の連続性 △ 中断あり ◎ チェックと入力が連続
入力のしやすさ モーダル閉じ後に入力へ戻る 展開直後に入力可能
画面の情報量 モーダルで局所化 展開時は縦長(スクロール配慮)
実装負荷 既存モーダル改修 バックエンド連携を段階分割可能

操作連続性とフォーム全体の体験を最優先し案Bを採用。役員フィードバックを反映し、バックエンド調整をフェーズ分けして早期リリースしました。

最終UIと設計上の工夫

メリットを先に伝える情報設計

課題

注意文が目立ち、利用メリットが後回しになっていた。

設計判断

「自動設置」「独自ドメイン設定済み」「HTTPS公開」の3点を、チェック周辺で最優先表示。

UI上の工夫

視認性の高いラベルで特長を前置し、注意事項はトーンを抑えて同画面内に配置。

選択から入力まで途切れない導線

課題

確認モーダルにより、チェック操作と入力が分断されていた。

設計判断

モーダルを廃止し、オン選択時のみ同一ブロック内で入力欄を展開。

UI上の工夫

チェックと同時に追加入力が現れるインライン構成(上記 After 参照)。

入力負荷の軽減

課題

ブログ名・パスワード・管理者メールなど、初心者には負荷が大きい項目があった。

設計判断

合理的な初期値と、既知情報の自動補完で「考える量」を減らす。

UI上の工夫

ブログ名・パスワードの初期値設定、未入力時はXServerアカウント登録メールを管理者メールに適用。

成果と振り返り

リリース・実装

  • 2026年6月、役員レビューおよび開発チームとの仕様調整を経て本番リリースを完了。
  • モーダル撤廃とインライン展開、3大特長ラベル、初期値・メール補完を実装。
  • バックエンド連携はフェーズ分割し、開発負荷とリリース時期のバランスを調整。

効果(確認できた範囲)

  • リリースから約3ヶ月時点の社内計測では、クイックスタートの利用選択率が改修前の31.7%から約48%へ上昇(約16ポイント増、約1.5倍)。継続的なモニタリング対象。

今後の検証指標

  • チェック率・展開後の入力完了率・フォーム全体のCVRなど、ファネル(段階)別の改善余地を追う。

設計で重視したこと

フォーム内の一部分ではなく、理解・判断・入力までを一つの体験として設計すること。見た目の調整だけでなく、情報の順序と操作の連続性を揃えたうえで、実装可能な粒度まで仕様を落とし込むことを意識しました。